「延納」とは?
「延納」とその問題についての解説を致します。

「延納」とは?

相続が発生した際、相続した財産に応じて相続税を支払う義務が生じます。納税は、現金での一括納付が最も理想的な方法だといえます。
しかしながら、数千万、ときには億単位で納税をしなければならない場合、10ヶ月という限られた申告期限内に用意できないケースの方が多いのが現実です。
相続税が期限内に払えない場合「延納」という納税方法があります。

「延納」とは年賦、いってみれば分割払いのことです。最高20年という期間で、申告期限の一年後から返済がスタートします。
しかし、先延ばしにして支払うので、当然、利息も支払わなければなりません。利子は年率原則0.8%~1.4%とされています。
但し、延納は以下の条件を満たしている人でなければ認められません。

<延納の要件>

次に掲げる全ての要件を満たす場合に、延納申請をすることができます。

  1. 相続税が10万円を超えること。
  2. 金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること。
  3. 延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること。
    ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。
  4. 延納申請に係る相続税の納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること。

<延納の担保にできない財産>

  1. 法令上、担保権の設定又は処分が禁止されているもの
  2. 違法建築や土地の違法利用のための建物除去命令等がされているもの
  3. 共同相続人の間で所有権の争いがあるもの
  4. 共有不動産で共有者全員から担保の承諾が得られないもの
  5. 売却できる見込みがないもの
  6. 担保価値の少ないもの
  7. 担保の存続期間が延納期間よりも短いもの
  8. 第三者又は法定代理人等の同意が必要な場合に、その同意が得られないもの

「延納」とその問題点

利子負担の問題

「延納」を選択した場合、返済に必要なのは延納税額だけではなく、毎年加算されてくる利子も含まれてきます。
従って、長期的な視点で返済計画を立て、いかに安定した収支を維持しながら納税を終えるか、ということが最重要課題となる訳です。
当初、計画では万全を期していたつもりでも、先に何が在るかは誰にも分かりません。また、返済原資となるものが無い場合には選択しない方がよいでしょう。

利子は年率原則0.8%~1.4%と比較的低金利とはいえ、最高20年も続くことを考えると、馬鹿になりません。
このため、「延納」をいったんは選択しても、一括で納税してしまうケースも多いようです。
その方法として最も多いのは、やはり、不動産の売却です。

借入をして賃貸物件を建てる場合のリスク

スムーズな「延納」を実現させるための手段として、金融機関から借入をして賃貸収益物件を建て、その賃料収入を返済に充てるという場合もあります。
しかしこのような場合には、長期的な視点で、特に慎重に計画を立てることが重要になってきます。
「延納」に加え、金融機関への返済とそれぞれの利子負担が加わるため、長期に渡る収支のバランスや、修繕費等の諸経費、空室等のリスクまでをも視野に入れ考慮しなければならないでしょう。
最初は最良の方法だと思っても、いつの時代も状況は常に変動するものです。目先の視点だけで決断してしまうと、何年か経過した後、計画に無理が生じ、支払いに行き詰るという事態を起こしかねません。

また、ご所有の「底地(貸宅地)」の立地条件も考慮しなくてはならない事は、言うまでもありません。
賃貸収益物件の経営において最も重要なのは立地条件といえます。賃貸収益物に適さない場所である場合には、経営に行き詰る可能性がありますので、売却をお勧めしています。売却で得た資金で、より収益性が高い収益物件への転換をされて収益性が飛躍的に向上するケースも多々ございます。

相続の納税における有効な対処法

相続に関しては、これが絶対であるという解決策はないと言えます。それぞれのケースに応じて、さまざまな個別対応が必要になってくるでしょう。ジェイ・ワン・プランニングにお任せ下さい。地主さま、お一人おひとりに合ったプランをご提案させて頂きます。
相続発生時に「底地(貸宅地)」を整理しようとする場合には、「物納」だけではなく、売却や、場合によっては「延納」も視野に入れて比較考慮することをお勧めしています。

ポイント1

相続発生時に「底地(貸宅地)」を整理しようとしたが、「売却」が有効か?「物納」が有効か?有効な方法を選択するには、まず、収納価額と売却価格を比較検討することが必要です。

売却交渉価額から譲渡税等の諸費用を差引いた
手取額が上回る
比較
収納価額

⇒売却の方が有効

ポイント2

相続税の申告期限までに売却が決まらないと予想される場合には、いったん物納申請をしておきます。
売却交渉価額から譲渡税等の諸費用を差引いた手取額が、収納価額と利子税(※)の合計よりも上回る場合には、申請を取下げて売却します。

売却交渉価額から譲渡税等の諸費用を差引いた
手取額が上回る
比較
収納価額と利子税(※)の合計

⇒売却の方が有効

(※)=「物納」を取下げて「延納」に切換え、延納税額を全納するまでの期間の利子税
もっとも、「物納」が認められない物納不適格の「底地(貸宅地)」場合は、上記の比較は全く無意味です。売却処分するか持ち続けるかしか方法は無いと言えます。
 詳細は、「底地物納要件要旨」と「底地(貸宅地)物納適否の目安」をご覧下さい。

ポイント3

万が一、「物納」が出来ないという不測の事態に陥った場合の対処方として、「物納」を取下げて「延納」に切換えるという手段を選択する場合もあります。

「延納」にかかる利子税に関しては、相続財産に占める不動産の割合に応じて定められています。
相続財産に占める不動産等に応じ定められています。延納期間は最長20年です。
不動産等の割合が75%以上で、期間20年の場合は平成27年分は0.8%~1.4%となります。
ですから、売却するということを前提とし「延納」に切換え、全納するまでの一年間を、売却交渉の猶予期間とすることが可能になるのです。

※但し、延納申請が認められるためには担保提供が必要になります。「底地(貸宅地)」の場合、担保として不適格な財産であると判断され、担保として認められず、申請を却下されるケースもしばしば見受けられます。
※万が一、申告期限を過ぎ、延納申請が却下された場合には、却下された翌日から14.6%の延滞税が発生します。延滞税は非常に高利の為、金額が多い場合には相当な負担となりますので、十分にご注意下さい。

結論

いずれにしても、通常の土地と比較して、「底地(貸宅地)」の売却には時間がかかることもございます。物納も困難な場合もございます。突然、「底地(貸宅地)」の相続が発生した場合、期限内に納税しなくてはという焦りが生じるのは無理もありません。納税のことだけしか頭にないようでは、優良不動産の売却を優先してしまい、納税後に手元に残ったのはどうにも生かしようの無い死地だけだった、ということになりかねません。このような事態を招かないためには、売却が完了するまでの短期間、一時的に「延納」という選択をとるのも有効となることもあるでしょう。
 とはいえ、早期から準備されていれば、「延納」という手段を選択する必要が無いというのは、言うまでもありません。余分な利子税を支払わなくても済みます。相続税が多額に発生することが、あらかじめ予想される場合には、生前から相続対策に取り組まれることをお勧めしています。

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