「物納」とは?
「物納」とその問題についての解説を致します。

「物納」とは?

相続が発生した際、相続した財産に応じて相続税を支払う義務が生じます。「物納」とは、その言葉の通り、現金に代わる物品で納税を済ませることです。
現金で納税するのが理想ですが、現金で納税できない場合は「物納」という手段があります。
その多くは不動産などの土地でなされることが一般的です。 但し、以下の条件を満たしている人でなければ認められていません。

<物納の条件>

  1. 「延納」しても納付が困難な理由があること(現金での納税が困難だと認められる必要があります)
  2. 「物納」しようとする財産が、相続や遺贈で取得したものであり、一定の条件を満たすこと
  3. 申告期限までに物納申請をすること

「物納」とその問題点

「底地(貸宅地)」の「物納」は非常に困難な場合が多いという問題

 土地を「物納」して相続を乗り越えようと考える地主様は、たくさんいらっしゃると思います。が、「底地(貸宅地)」を「物納」するには、税務署に認めてもらえるように幾つもの条件をクリアする必要があります。近年、「物納」の審査条件が厳しくなっていますので、「底地(貸宅地)」によっては「物納」が困難なケースもございます。
詳細は、下記の「底地物納要件要旨」と「底地(貸宅地)物納適否の目安」をご覧下さい。

<底地(貸宅地)物納要件要旨>

契約書が存在し、契約面積と実測面積が合致していること
地積更正登記により登記簿面積とも合致していること
相続税申告書記載面積とも合致していること
適正地代を受け取っていること
上記作業は、隣地の方々から印鑑証明等の書類をいただき、確定測量が絶対条件となります。

<底地(貸宅地)物納適否の目安>

必要条件項目 物納可能 物納不可
境界 明確 不明確
道路付け 接道あり 無道路地(通行権あれば可)
担保 担保なし 担保付き
もめごと 紛争なし 紛争中
土地の形状 単独利用できるもの ガケ地で単独利用不可
買戻し特約 なし あり
借地権者 明らか 不明
建物 適法建築 違法建築
建物・借地権 借地権付き建物 借地権なしの建物

上記の必要条件を満たしていない場合、「物納」はまず困難です。必要条件を満たす為、ケースによっては測量や整地、建物の解体など、様々な諸経費が必要になってくる場合もあります。

また、複数の貸地があった場合、必要条件をみたしている「底地(貸宅地)」のみ物納できて、他の「底地(貸宅地)」は死地(活用することのできない土地)になってしまう場合もあります。
ですから、上記の必要条件が備わっておらず、「物納」が難しそうな「底地(貸宅地)」は早めに生前換金することをお勧めし致します。

物納に充てることができない財産の一覧表

  1. 担保権が設定されていることその他これに準ずる事情がある不動産
  2. 権利の帰属について争いがある不動産
  3. 境界が明らかでない土地
  4. 隣接する不動産の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の使用ができないと見込まれる不動産
  5. 他の土地に囲まれて公道に通じない土地で民法第210条の規定による通行権の内容が明確でないもの
  6. 借地権の目的となっている土地で、その借地権を有する者が不明であることその他これに類する事情があるもの
  7. 他の不動産(他の不動産の上に存する権利を含みます。)と社会通念上一体として利用されている不動産若しくは利用されるべき不動産又は二以上の者の共有に属する不動産
  8. 耐用年数(所得税法の規定に基づいて定められている耐用年数をいいます。)を経過している建物(通常の使用ができるものを除きます。)
  9. 敷金の返還に係る債務その他の債務を国が負担することとなる不動産
  10. その管理又は処分を行うために要する費用の額がその収納価額と比較して過大となると見込まれる不動産
  11. 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある目的に使用されている不動産その他社会通念上適切でないと認められる目的に使用されている不動産
  12. 引渡しに際して通常必要とされる行為がされていない不動産
  13. 地上権、永小作権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利が設定されている不動産で次に掲げる者がその権利を有しているもの
    1. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下「暴力団員等」という。)
    2. 暴力団員等によりその事業活動を支配されている者
    3. 法人で暴力団員等を役員等(取締役、執行役、会計参与、監査役、理事及び監事並びにこれら以外の者で当該法人の経営に従事している者並びに支配人をいう。)とするもの

利子税の問題

「底地(貸宅地)」を「物納」する場合には、上記に記載の適格要件を全てクリアすることが絶対条件となります。近年、物納の審査条件が非常に厳しくなっています。審査に要する期間が長期間になるケースもあるようです。
「物納」をお考えの場合、いざ相続が発生してから慌てて準備に取り掛かるようでは、申告期限内に間に合わず利子税が発生してしまうという事態になりかねません。

また、せっかく生前から準備を進めていても、最後の最後に借地人とのトラブル等が原因で「物納」ができなくなってしまうというトラブルもしばしば見受けられます。
相続が発生してから申告(納税)まで、原則的には(※1)10ヶ月間という期限が定められています。
高級住宅街や広大な「底地(貸宅地)」を相続し、申告期限内に物納申請が出来ないという事態になった場合、相続評価額が高額なため、利子税の負担だけでも大変重いものとなります。

諸経費、時間や労力等を考慮すると、「物納」という最後の手段を選択するよりも、売却した方が資産の有効活用に繋がるケースも多くございます。特に、申告期限内(10ヶ月間)に「物納」できない事態に陥った場合においては、「物納」を取り下げ、売却する方がより有効的な手段だと考えます。

早期段階から不動産資産の有効活用のためのビジョンニングを持たれ、相続対策に取り組まれることをお勧めしています。特に相続においては最後の売却時だけではなく、もっと早期からどのような方法が最良な手段かを一緒に考えさせて頂けければ、地主様のお役に立てることも多くあると思っています。

(※1)申告期限内に物納申請が出来ない場合には、納期限までに申請をすれば延長ができます。延長期限は申請1回につき3ヶ月間になり、最長1年間まで認められます。
※但し2.8%の利子税が発生します。
※ 万が一、申告期限を過ぎ、延納及び物納申請が却下された場合には、却下された翌日から14.6%の延滞税が発生します。延滞税は非常に高利の為、金額が多い場合には相当な負担となりますので、十分にご注意下さい。

ジェイ・ワン・プランニングが底地の有効活用をサポート、
最善の解決策をご提案、問題解決を実現することをお約束致します。

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